日本照射サービスでは、滅菌バリデーション基準に沿うよう、医療機器の無菌性を保証するためのバリデーション(期待される結果の科学的な検証、または妥当性の検証)を以下の通り定めています。
- ・バリデーション(validation)の定義
- プロセスが、恒常的にあらかじめ定められた仕様に適合する製品を得ることができることを確立するために、要求される結果を得て、記録し、解釈するための文書化した手順。
(JIS T0806-1:2010 ヘルスケア製品の滅菌-放射線-第1部:医療機器の滅菌プロセスの開発、バリデーション及び日常管理の要求事項より)
- ・滅菌バリデーションとは
- 「製造所の滅菌に係る構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が無菌性を保証することを検証し、これを文書とすることによって、要求事項に適合する製品の無菌性を恒常的に保証できるようにすること」
(H23.3.30薬食監麻発0330第5号により改正された「滅菌バリデーション基準」より)
バリデーションイメージ
試験および評価期間
①材質試験用照射
- 最大許容線量の決定
- 材質の経時変化(劣化)確認<有効期間決定>
- 『製品はあらかじめ定めた有効期間中、機能的な要求事項に適合しなければならない』
[JIS T0806-1]
- 2~3水準照射(最小線量~最大線量)
- 例)滅菌線量15kGy以上の場合
15、30、45kGy/3水準照射
- 期間は、最大線量照射後、製品の有効期間まで
- 例)照射直後、1カ月、3ヶ月、6ヶ月
未照射および照射済サンプルで検証
- 製品だけでなく包装材についても評価
- 『滅菌する製品は、その包装材も含めて定義しなければならない』
[JIS T0806-1:2010]
②~④滅菌線量設定試験用照射
- 平均バイオバーデン(BB)測定結果に基づき検定線量を決定
- 検定線量(+10%まで許容)照射
- 無菌試験実施(陽性の数で合否判定)
- 滅菌線量(最小許容量)の決定(ISOに基づく)
- 滅菌線量監査(原則、3ヶ月毎実施)
BB測定→検定線量照射→無菌試験
⑤製品線量分布評価
- 製品の載荷パターンで最大および最小線量域を測定
−商用照射条件にて通常3回、個別の線量実証を実施(最終再現性確認)
- 線量測定監視部位(管理点/モニタリングポイント)の決定
↓
最終照射条件確認
試験のポイント
- ①材質試験
- −経時を加味した製品最大許容線量の決定
・製品梱包照射時の線量のバラツキを考慮
- ②~④滅菌線量設定試験
- −滅菌線量(製品最小許容線量)の決定
- ⑤線量分布評価
- −製品の最大および最小線量域の確認
−線量測定監視部位の決定